携帯電話の音は、「ただ鳴る」ものから「曲を演奏する」ものへ進化しました。ここでは、単音着信から和音着メロ、64和音、そして着うたへ移っていく流れを紹介します。
初期の携帯電話では、着信を知らせる単純な電子音が中心でした。やがて音程を並べてメロディを鳴らす機能が登場し、ユーザーが自分で曲を打ち込む文化が広がっていきます。
同時に鳴る音が1音しかないため、原曲の特徴を「メロディだけ」でどう再現するかが重要でした。
複数の音を同時に鳴らせる端末が登場すると、主旋律だけでなく簡単なコードや低音も入れられるようになりました。
少ない発音数をどこへ割り振るかが、着メロ制作の腕の見せどころでした。
16和音になると、携帯電話の中で「伴奏付きの音楽」がかなり現実的になりました。メロディ、ベース、コード、ドラム、装飾音を分けて配置でき、アレンジの自由度が一気に上がります。
CYBER CHAKUMELOでトラックを分けている考え方は、この時代の着メロ制作とよく似ています。
同時発音数と音色数が増え、エレキギター、ストリングス、ドラム、ベル、効果音などを組み合わせた濃いアレンジが可能になります。
2003年前後には、着信音というより「小さなゲームBGM」「小さなMIDIアレンジ」のような作り込みも楽しめるようになりました。
通信速度や端末容量の増加により、合成音で曲を再現する着メロから、歌声や録音済みの音源をそのまま再生する着うたへと主役が移っていきます。
この変化によって「限られた音数で原曲を再現する」着メロ職人の文化は徐々に表舞台から減っていきました。
現在はブラウザのWeb Audio APIを使って、専用ソフトを入れなくても音を合成・再生できます。さらにAIを使えば、メロディ、コード、ベース、リズムなどのアイデアをJSONとして生成することもできます。
CYBER CHAKUMELOは、昔の「音数や音色の制約の中で工夫する楽しさ」を、7トラックのWeb作曲環境として再構成しています。