幻想武闘伝!第0話「剥き出しの…」第1話「幻想郷に落ちた少女」

第0話 過去編2
「レイム…おまえ…あれ?体が動かない…」
「レイム、おめでとう」
「おかあさん!おかあさんが言う通りに、ここに上がってきた化け物を殺したよ!」
「レイム、よくやったわね。じゃあ、レイム今から最後の修行に入るわ」
「最後…の修行」
「そう、最後…絶対成し遂げなさい…レイムのため…母さんのために」
「うん!頑張る!」
「よし、最後の修行よ、次に現れる者をこの目隠しをしたまま殺しなさい。さっきと同じようにしっかり、トドメを刺すのよ。わかったわね?レイム…」
「うん!絶対にトドメを刺すわ!おかあさん!」
「…レ…イム…」

 ざー(雨音)
「レイムゥウウウ!やめろぉおおおお!」
 バシュ…
 ざー(雨が降る音)
「勝ったよ!おか…さ…」
 ざー
「…」
「あれ?あれ?あれ?あれあれあれあれ?」
「レイム…」
 ざー

 ピキーーーーン
「うわッ!」


 ぽき、ぽき…
「うん、良いね馴染むわ」
「れいむ?」
「おう、霧雨魔理沙くん。レイムのお母さんをしていて、今はレイムになりました。ハクレイという者だ。君では弱すぎるが、ちょっと体の調子を確かめるために、少し死ぬまでで良いから踊ってくれ」
「レイム!クッ!」
「ほう、けっこうけっこう…思った通りの強さだ、調子を確かめるにはちょうど良いな」
「れいむぅうう!」

「れ…いむ…カハッ!」べちゃ…
「うん、魔理沙くんもう良いよ。死ね」
 シュ…バジュ!!!
「レイム…大好きだ…」
「ま、まりさ!」
「レ…イ…ム…おそいぜ…」

 この事件以降、レイムの本当の笑顔を見たことはない。あの「ハクレイ」と名乗った存在は、初代博麗の巫女が神尾卸しをして下ろした神らしい。レイムは、かあさんが時々見せていた異次元の強さは、この力を使っていたものだと言っていた。悲しいが、レイムはその力を持つ かあさん を殺すことで、ハクレイの力を引き継ぎ、ハクレイの技術、力、知識を手に入れることができたのだ。博麗の巫女が、封印や結界をメインで鍛えるのもこの力を抑え込むためらしい。そして、歴代博麗の巫女の記憶もわずかながら受け継いでいる。もちろん、レイムのお母さんの記憶も…

 レイムは、あの日以降、ほとんど修行をしなくなった。
 今は、私との組手が唯一の修行だ。修行になっているのは私だけなのだけど…

 もちろん、あの日以降、私はレイムに全く勝てていない。
 いつか、レイムが暴走してしまったら、今度は、私が…


「マリサ、いつか、私より強くなって…私のおかあさんを…助けて…お願い…」

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こぶし ぱんち

kobushipannchi.com

拳パンチと申します。 投稿については拙いものですが、読んで見ていただければ幸いです。 できれば、お友達にも紹介してくださいね。

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